絵本 レオ・レオニ『ペツェッティーノ』に思いを馳せて
私が学生の頃から好きな絵本が、何冊かあります。
仕事柄、これまで毎日のように子どもたちへ絵本の読み聞かせをしてきました。手に取ってきた絵本は、30年間できっと3,000冊を超えるでしょう。今でも図書館に行くと、気になる絵本を10冊ほど手に取ることもあります。
書店や図書館で「おすすめの絵本」と紹介されている作品には、大人が読んでも心を動かされる素敵なものがたくさんあります。ただ、長年子どもたちと絵本を楽しんできた中で感じているのは、「大人が良いと思う絵本」と「子どもたちが心から好きになる絵本」は、必ずしも同じではないということです。
目を輝かせて「もう一回読んで!」と何度もリクエストしてくれる絵本がある一方で、大人が思いを込めて読み聞かせをしても、すーっと離れていってしまうこともあります。
そんな子どもたちの姿に触れるたび、「絵本の楽しみ方は一人ひとり違っていいんだ」と実感してきました。大人が良いと思うものを伝えることも大切ですが、子ども自身が何に心を動かされているのか、その姿をじっくり見つめることも大切にしたいと感じています。
私が長年大切にしている絵本
そんな中で、私が学生の頃からずっと大切にしている一冊が、レオ・レオニの『ペツェッティーノ』です。
レオ・レオニといえば、教科書にも掲載されている『スイミー』が有名ですね。ほかにも素敵な作品がたくさんありますが、『ペツェッティーノ』は、幼児期の子どもたちには少し難しく感じられるかもしれません。
それでも私自身は学生の頃からこの絵本に強く惹かれ続け、30年以上が経った今もなお、物語のメッセージが心に残り続けています。
『ペツェッティーノ』は、「自分は誰かの一部分なのではないか」と悩む主人公が、自分自身を探していく物語です。
誰かの一部分としてではなく、一人ひとりがかけがえのない「自分自身」であること。そのことを、物語を通して静かに伝えてくれます。レオ・レオニの作品には、絵本の枠を超えて、大人の心にも問いかけてくる深い魅力があります。
「自分は自分でいいんだ」と思える心の土台を
幼児期は、さまざまな人やものに出会い、「自分の好きなこと」や「心が動く瞬間」を見つけながら、自分自身を育んでいく大切な時期です。
「自分はこれが好き」「これをやってみたい」と感じること。そして、その思いをそのまま受け止めてもらうこと。そうした経験の積み重ねが、自分らしく歩んでいくための心の土台になっていくのではないでしょうか。
周りの人から大切にされていることを感じながら、「自分は自分でいいんだ」と安心して思える心を育んでいってほしい。
Coconaで過ごす時間が、一人ひとりの子どもたちにとって、自分らしさを大切にしながらのびのびと成長していける「幼児期のかけがえのない一ページ」となりますように。

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