
汐見稔幸先生との懇談を通して、子どもたちの生きる力に思いを馳せる
更新日:4 日前
先日、研究会で、教育・保育の分野で長年ご活躍されている汐見稔幸先生と懇談する機会がありました。NHK「すくすく子育て」などでもおなじみの汐見先生は、東京大学大学院教育学研究科教授などを経て、白梅学園大学・同短期大学の学長も務められた先生です。
汐見先生は、子どもが育っていく過程では、知識や計算力などの「認知能力」だけでなく、それを支える「非認知能力」が大切であるということを、20年以上前からお話しされています。
非認知能力とは、テストの点数やIQのように数値で測ることが難しい、自己肯定感、意欲、好奇心、粘り強さ、人との関わり、感情を調整する力など、いわば「生きる力」や「心の土台」となるものです。現在では、幼児期のこうした力が、その後の学びや社会生活、人生の豊かさにも関わることが、世界的にも注目されています。
その懇談の中で、Coconaの職員S先生から、汐見先生にこんな質問がありました。
「非認知能力は、自然に育つものなのでしょうか? それとも、教えて育てるものなのでしょうか? その違いはあるのでしょうか?」
とても本質的な問いだと思いました。
私自身も、この質問を聞きながら考えていました。非認知能力は、ひらがなや数字のように、直接教え込むものではありません。「今日は忍耐力を育てましょう」「今日は自己肯定感を高めましょう」と、訓練して身につけさせるものでもないように思います。
けれど、何もしなくても自然に育つもの、というわけでもありません。
汐見先生からは、安心できる大人との関係の中で、自分の気持ちを受け止めてもらうこと。「やってみたい」という思いを大切にしてもらうこと。遊びや生活の中で、自分で選んだり、考えたりする経験を重ねること。夢中になって遊び込むこと。人と関わる中で、嬉しい思いも、思い通りにならない経験もすること。
つまり、大人が直接「教える」というよりも、子どもが自ら育っていくことのできる環境や関わりを、大人が意識してつくっていくことが大切というようなお話でした。
「非認知能力を育てなければ」と力を入れすぎると、いつの間にか大人が子どもに何かを身につけさせようとしてしまうことがあります。
けれど、本当に大切なのは、子どもが「やってみたい」「おもしろい」「もう一回やってみよう」と思える毎日なのかもしれません。
Coconaでも、子どもたちが自分の好きなことに夢中になれる時間、自分で選べる場面、安心して失敗できる関わりを大切にしています。
今回の汐見稔幸先生と懇談を通して、改めて感じたことは、子どもを育てるということは、何かを一方的に教え込むことではなく、その子が自分の力で育っていくことを信じ、待ち、環境と関わりを整えていくことなのかもしれません。
これからも丁寧に考えていきたいと思います。

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